演者と観客みんなで作り上げるクリスマス劇、演劇を通して人は変わる

2023年のサンタプロジェクトでサンタ役を担ったフリアン•ラミレスさん(右)

日本の昔話や神話をベースにした演劇をクリスマスに、コロンビア第2の都市メデジンで子どもたちに届ける活動がある。日本に関心をもつコロンビア人たちが集う「メデジン日本クラブ」が主宰する「サンタクロースプロジェクト」だ。2024年で15年を迎えるこのプロジェクトはただ演劇を見せるのではなく、演者と観客がともに成長する場となっている。

サンタプロジェクトの特徴は劇の中にメッセージが含まれていること。「勇気」「努力」「女性のエンパワーメント」などだ。テーマに応じて日本の昔話を選んだり、オリジナルのストーリーを作ったりすることもある。劇は主にスペイン語を使うが、日本語で歌う場面もある。

公演は毎年12月。だが公演の2、3週間前にサンタプロジェクトのメンバーは、公演に招待する児童養護施設の子どもたちに会いに行く。施設の中で子どもたちと一緒に折り紙をするなど遊んで親睦を深める。また劇の中で歌う日本語の歌や日本語のコールアンドレスポンスも一緒に練習する。

「女性のエンパワーメント」がテーマの年には天照大御神、かぐや姫、屁ひり女房など日本の神話や昔話に登場する女性を紹介し、現代の女性が置かれた環境と比べて話し合うワークショップも行った。

2023年のサンタプロジェクトのようす

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