文化への興味から日本語学習にステップアップ、ゴールはコロンビアに“小さな日本”をつくること

春のひなたの1階に併設された「KAWAII CREPES」の店舗(コロンビア・メデジン)

合気道のあとは麦茶でさっぱり

日本の文化を紹介する店を集めることで春のひなたは“小さな日本”をつくろうとしている。日本語を学ぶ生徒にとっては、小春カフェが教室までおにぎりを届け、授業中にそれを頬張ることも。

小春カフェにとっては売り上げを増やせるうえに、また生徒にとっては日本文化の体験とちょっとした気分転換になる。さらに合気道をして汗を流した後に麦茶を飲んでさっぱりすることも可能だ。こうした相乗効果も期待できるという。

3つの店の1日の来客数は合わせて約70人。うち半分は生徒だ。残りの半分は春のひなたが提供するプログラムを受講していない人たち。これまでかかわりがなかった人たちが日本文化に興味をもったことも手伝って、2024年6~9月の4カ月で春のひなたで新たに日本語を学び始めた生徒の数は前年同期と比べて1.5倍に増えたという。

この戦略の効果は、日本語教室の生徒を引き留めることにもつながっている。モレノさんによると、生徒が入ってきても「日本語は難しい」とやめてしまう人も少なくない。対策として、彼らがもともと好きな日本文化に触れさせるといった側面もある。

「春のひなたに行けば、日本の食べ物、飲み物、武道、日本語、マンガ、こういったものと気軽に出会える。そういった場所にしたい」とモレノさん。小さな日本という居場所を拡大させていくためにも現在必要なのは生徒数を増やすこと。目標は200人。春のひなたが入居する2階建てビルを3階建てに増築することも検討中だ。

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