コロンビア・スラムの少女「ママ、私、殺されちゃった」、元警官が伝えたい市街戦で起きた悲劇の数々

ジョニ・レンドンさん(コムナ13のYMCAで撮影)。レンドンさんは本の執筆だけでなく、武装集団の元メンバーを対象とする社会復帰プログラムや非暴力主義を広めるワークショップにも熱心に協力する

コムナ13以外も題材に

2021年の第2作『メデジン13地区: コロンビア最恐のスラムを変えたアートと文化の力』(2023年邦訳)では、コムナ13で活動するストリートグラフィティやヒップホップのアーティストたちの作品とインタビューをまとめた。

続く第3作『コムナ13、変革手段としての社会的リーダーシップ』(未邦訳)では、武力紛争を克服してコムナ13で社会変革を達成したリーダーたちに焦点を当てた。

コムナ13についてレンドンさんが最後の書いた本は、『観光ガイド メデジン13』(未邦訳)というミニブック。

レンドンさんが出したコムナ13に関する4冊は、武力衝突が絶えなかった悲劇的な過去から、アーティストと社会的リーダーたちに導かれた変革期を経て、コロンビア屈指の観光地となった現在に至るまでをカバーする。コムナ13を形作ってきた人や出来事をきれいに概観している。

レンドンさんは実は10~14歳、母の仕事の都合でコムナ13に住んでいた。ゆかりのある場所に戻ってきた今、作家として、数人の販売担当のスタッフを雇えるまでになった。

「コムナ13について書いたことで、僕の作家としてキャリアも助けられた」と語るレンドンさん。現在はコムナ13以外を題材にした本を執筆中だ。

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