コロンビアの貧困地区コムナ13の報道写真家「大好きなクチャスがいるから戻ってきた」

コムナ13出身のフォトジャーナリストで、YMCAコロンビア・メデジンでボランティア活動もするパブロ・アレイサさん(本人提供)

若者に希望を与え続けたい 

2023年、YMCAコロンビア・メデジンにとって嬉しいニュースがあった。同団体が50年前に創設されて以来、13人の学生が初めて、カナダでの異文化交流プログラムに参加した。13人全員がコムナ13の出身。これまで力を注いできたコムナ13で暮らす青年への英語教育の成果が形となった。

またコロンビアでは2021年、コロンビア政府が目指した税制改革(電気・ガス・水道などの消費税の増税)に抗議して全土でデモが起こった。多くの若者を含む数十万人が通りに出て反対の声をあげた。

税制改革法案は結局、世論を受けて大幅に修正されたものが可決されたが、「この時を境に変わった。コロンビアの若い世代はこれまで政治に無関心だった。コムナ13の若者も諦めずに行動すれば変化が起きることを知ってほしい」。地元愛を誓ったかつての小学生は若者への思いをこう語る。 

「仕事の都合で昨年1年間はボゴタに住んだけど、好きになれなかった。結局またここに戻ってきたよ。コムナ13にはクチャスたちがみんなで子どもを見守ったり、といつも私たちのことを考えてくれているからね」とアレイサさんは微笑む。恩返しとしてこれからも今までと変わらずコムナ13のためにできることすべてをする覚悟だ。 

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