ゲリラに家を燃やされたコロンビアのシングルマザー、コスメを売り歩き4児を養う

コロンビア国内避難民のホアナ・モントジャさん。コスメをリュックにつめて売り歩く

コロンビア・メデジンの北隣にあるベジョ市1区(コムナ1)に、4人の子どもとともに簡素な家に住むのはホアナ・モントジャさん(38)。14年前に右派ゲリラ(パラミリタレス)のコロンビア自警軍連合(AUC)に自宅を燃やされた。故郷を追われ、国内避難民となった現在は、4児を養うシングルマザーとしてコスメを詰めたリュックを背負って売り歩く。「やり方がわかれば、飛ぶように売れるわよ」と語る表情は活力に満ちている。

自分にはパワーがある

家族について尋ねると、モントジャさんは嬉しそうに子どもたちの写真を見せてくれた。女の子2人(14歳、13歳)と男の子2人(7歳、6歳)は、アーチェリー、水泳、BMX(自転車競技)と、それぞれスポーツに励んでいる。

国内避難民で、シングルマザーでもあるモントジャさんにとって4児を養うのは簡単ではない。コスメを売り歩く仕事を週4日して個人で生計を立てる。中国・韓国から輸入したスキンケアグッズやリップクリームなどを路上で売る。時には訪問販売もする。

路上で商売をしていて、ギャングに目につけられたらみかじめ料を渡すしかない。それを避けるには常に目立たないよう細心の注意を払って仕事をする必要があるという。「重いリュックを背負って歩きまわるのは大変」と腰をさする彼女の様子からも、決して楽な仕事ではないことは明らかだ。

それでも今の仕事が好きだというモントジャさん。顧客が喜ぶのはもちろん、商品が売れた時は「自分にはパワーがある。自分ならできるという気持ちなる」と話す。

よく売れる日は、利益が15万ペソ(約5000円)に達することも。コロンビアの1カ月の最低賃金が146万2000ペソ(約5万円)であることを踏まえれば、収益性は高い。

「ナルシスト(モントジャさんの顧客の多く)っていうのは美容のためのお金は惜しまないから」と冗談めかすが、比較的単価が高く、また在庫管理がしやすいコスメを商品に選んだところはしたたかだ。

モントジャさんが売り歩くコスメ商品。韓国人が経営する商店やオンラインマーケットのTEMUから仕入れる

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