「暴力で亡くなった人をただの死者にしたくない」 コロンビア・メデジンの壁に理不尽に命を奪われた犠牲者の写真

コロンビア・メデジンの貧困地区「コムナ13」の中にある追悼場。ギャングの抗争やデモの衝突などの犠牲者の写真が並ぶ

3000人を追悼したい

「暴力で亡くなった人をただの死者にしたくない」(ドゥランゴさん)。写真を掲載する犠牲者は被害者、加害者は問わない。ギャング、警官、デモ隊など多岐にわたる。加害者側の人でもギャング闘争で命を落とす人もいる。

最も重要なのは、「被害者をただの『死者』として扱わず、一人ひとりを追悼すること」とドゥランゴさんは力説する。

YMCAメデジンは今、メデジン市役所が主催する社会貢献プロジェクトを募るコンペに応札。選ばれれば1億ペソ(約340万円)の助成金を獲得できる。現在は最終段階だ。

ドゥランゴさんは「ラテンアメリカで最大の追悼場を作りたい」と意気込む。この助成金を元手にコムナ13の中に2700枚の犠牲者の写真を新たに張り、合計で3000枚にしたいとの未来を描く。

YMCAメデジンでボランティアをするセバスチャン•ドゥランゴさん

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