ベナンの村在住で小学校中退の家具職人、都市からも注文が入る凄腕だった

20歳の家具職人リカルド・コベジェさん。18歳の時に路面に工房を立ち上げた。村にいる20人の大工の中で「一番」と評判だ

お金が貯まったら辞めたい

コベジェさんは見習いのときに教わった技術だけでなく、「仕事のスピード」を強く意識する。「家の天井も、ダイニングテーブルも2日で仕上げてくれた。仕事が早くて助かる」(トタ村在住の日本人)。これに加えて最近は椅子やテーブルの新しいスタイル、デザインなども考えるという。「半日かけて新しいアイデアを練るんだ。ベッドで横になりながらね」と語る。

村には20人の家具職人がいる。より稼ぐためには、他の職人と差をつける必要があるのだ。

コベジェさんはまた、見習い(弟子)をとりたいという。「見習いからもらう研修費用でお金を稼げるし、家具作りの技術を広めたい」と理由を語る。見習いを1人とることで、20万CFAフラン(約4万9000円)を得られる。

見習いをとれば、ライバルの職人が増える。そうなれば、稼ぎにくくなるのは当然だ。しかし彼は「家具作りの技術を向上させているから、ライバルの職人が増えても心配ない」と話す。

ただお金が貯まったら、機械を使って丸太を切断し、家具作りに使える形に加工する材木屋の仕事をしたいという。理由は、家具職人より稼げるからだ。そのためには600万CFAフラン(約147万円)が必要。「作業するための土地と、材木を作るための機械を7つ買う必要がある。お金を貯めるんだ」とコベジェさんは将来を見据える。

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