マダガスカルの「ドゥアニ信仰」がいま熱い! 巡礼に訪れる外国人も

ドゥアニの社殿前で憑依状態となり、精霊として振る舞い、踊る宗教的リーダー(霊媒)

三坂神社(山口県山口市)の宮司で、京都大学の特任助教も務める江端希之さんは10月19日、NPO法人東京自由大学が主催した「アフリカ呪術×アフリカ神社」と題するオンラインイベントで講演した。マダガスカルにかねてからある「ドゥアニ信仰」について「聖地や神話はいまもなお増え続けている」とホットな現状を述べた。

マダガスカルの伝統治療師に

江端さんは、宗教全般を扱う専門紙「中外日報」の編集記者をし、マダガスカルの国家資格である伝統治療師を日本人で初めて取得。京都大学大学院で博士号を取得するなどユニークな経歴をもつ。日本各地の神社でアルバイトや常勤で神主をした後、2024年4月に三坂神社の宮司を継いだ。

ドゥアニ信仰の研究を始めたきっかけについて江端さんは「在来宗教を通じて、日本とアフリカのつながりを示したかった」と話す。ドゥアニ信仰のドゥアニとは「精霊を祀る社」のこと。日本でいえば神社だ。「人間の祖先を祀ることが日本の神道との共通点」と江端さんは説明する。

ドゥアニ信仰の「死後の世界観」も神道と似たところがある。死んだ人間の霊は神道と同じように、神へと昇華していくという。

これ以外にも、「祭祀対象(神)によって霊験(ご利益)がそれぞれ変わること。死や血を忌避することなどがある」(江端さん)

ドゥアニの大祭で聖遺物を担いでもみ合う人々

ご神木を祀る祠の前で憑依儀礼を行なう巡礼者たち

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