ケニアの高校生が勉強する理由は「体罰を受けたくないから」、アドラー心理学で考察してみた

私の数学の授業で、生徒が“先生”になってクラスメイトへ問題の解き方を説明しているところ。間違っても、発表する勇気にクラスみんなで拍手を送る

生徒の7割が成績アップ

先生役を務めた高校2年生のケネディさん(16歳)は「今までは間違ったら体罰だったから、怖くて発表できなかった。今は間違ってもいいと思って、安心して挑戦できる」と喜ぶ。

ケネディさんは私が出会った当初、数学のテストの点数31点。だが少しずつ伸ばし、先日のテストでは56点と大幅にアップした。彼だけでなく、私が受け持つクラスのおよそ7割の生徒が成績を伸ばした。

「生徒の成績が上がるのは良いこと」。私の指導方法を見て、数学科の教科長チェンゼさん(57歳)は語る。だが彼は相変わらず体罰に頼った指導を続けている。私が有効なやり方を伝えたにもかかわらずだ。

私のJICA海外協力隊の活動期間は残り2カ月。数学に限らず全教科で生徒たちが安心して挑戦できる環境をつくれるよう、私は日本に帰国するまで、アドラー心理学的なアプローチ法を同僚に伝えていきたい。

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