ブリケットを並べて乾燥させているところ(ブルンジ・カヤンザ県)
DV夫からの逃亡・姉夫婦の死
ブリケットの営業リーダーを務めるのがシングルマザーのジャックリンさんだ。テラ・ルネッサンスと出合う前は建設現場でブロックや水を運んだり、畑仕事をしていた。1日の稼ぎは日本円にして約77円。週に2、3日しか働けなかった。
ジャックリンさんには壮絶な過去がある。夫からは暴力を振るわれ、2人の子どもを連れて逃げた。姉夫婦の家で暮らしていたものの、姉夫婦は交通事故で死亡。姉夫婦の3人の子どもを引き取った。
5人の子どもを養うジャックリンさんはいま、地元のレストランにブリケットの営業をかけている。訪問した5軒のレストランのうち4軒とすでに契約を結んだ。ジャックリンさんは稼いだお金で「子どもたちが学校を卒業するまで学費を払ってあげたい」と川島さんに話したという。
「参加者が自立してブリケットを売れるようになるには、あと2年はテラ・ルネッサンスのフォローアップが欠かせない。ブリケットのビジネスを支援し続けるためには日本人からの寄付も必要」と川島さん。寄付は一口3000円から。この金額は6カ月分の家賃(一人暮らし)に相当するという。
ビジネス継続率は8割以上
テラ・ルネッサンスが提供するさまざまなサポートが奏功し、これまでのビジネスの継続率は83%にのぼるという。職業訓練の参加者が以前従事していたのは農業や洗濯、売春など不安定な仕事。「職業訓練を始めてから収入は平均2.6倍に増えた」(川島さん)
報告会の最後に川島さんは 「(生活が苦しくて)参加者のひとりが泣いていると思ったら、いつの間にかみんなで踊ったり歌ったりしている。一日を楽しく生きようとする姿が眩しい」と述べた。力強く生きるブルンジ人をこれからも応援していく。
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