甘いチョコレートの裏側に児童労働、NGO ACE「食べて支援を」

ガーナのカカオ農園で男の子がカカオの実を鉈で割るところ(写真提供:ACE)

児童労働ゼロのチョコを

ACEは2023年、活動25周年を記念して活動地域であるアスナフォ・サウス郡のカカオ豆を使った「アニダソチョコレート」を市川さんと共同で商品化した。アニダソとは、ガーナで最もメジャーな言語のチュイ語で「希望」という意味。値段は1枚(50グラム)1296円。うち500円がガーナの子どもたちへの寄付になる仕組みだ。

2023年に発売してからこれまでに合計4000枚が売れた。寄付総額の200万円は、ガーナの子どもたちへの学用品の支給やカカオ農家の収入を向上するトレーニングなどに活用する。 

アニダソチョコレートはまた、社会貢献だけがウリではない。味にもこだわる。カカオ含有率は47%。八丁味噌も隠し味に使う。市川さんは「食べ始めたらもう一欠片、気づいたら一枚と食べられるくらい美味しい。継続して買ってもらえるよう工夫した」と話す。

ACEは2月14日まで、同団体の活動を気軽にサポートできるバレンタインキャンペーンを開催中。2025年のテーマは「#未来につながるチョコレート」だ。キャンペーンに参加する方法は、ACEのサポーターだった詩人の故・谷川俊太郎さんが書いた詩の動画をシェア、ACEの支援になるチョコレートを購入、寄付の3つある。

また市川さんが執筆し、2024年12月に出版された『チョコレートと日本人』(早川書房)も好評。「日本人はなぜチョコレートに陶酔するのか」とのテーマを中心に、日本のチョコレートの歴史、カカオ豆から板チョコまで自社で一貫して生産するビーントゥバーチョコレートとは何か、児童労働などを解説した一冊だ。ACEと協働する活動についても触れている。

ガーナ南西部のアスナフォ・サウス郡のカカオ豆を使った「アニダソチョコレート」。1枚買うと500円がガーナの子どもたちへの寄付になる

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