ウクライナ西部に国連や政府から食料支援なし、テラ・ルネッサンスが週2回40食を炊き出し

CSCs(Cash for Social Contributions)のスキームを使い、炊き出しの手伝いをするウクライナの国内避難民ら

総合福祉センターを設立

テラ・ルネッサンスを悩ませるのが、「持続性」だ。

同団体が掲げる活動の基本方針は、困窮した人が社会復帰できるようにすること。だがウクライナ西部で暮らす病気を抱えた高齢者が社会復帰するのは難しいのが現実だ。

コーシャさんは「テラ・ルネッサンスが支援する国では、例えば読み書きができない子ども兵に職業訓練をして仕事に就けるよう支援する。それは支援対象者が若いからできることだ」と心情を吐露する。

そこでテラ・ルネッサンスは、ロシアが撤退した後の住民の生活を再建することに着目。2024年、ウクライナ西部に総合福祉センターを設立するプロジェクトを立ち上げた。ギリシャカトリック教会と共同し、使われていない建物を改装。介護施設と託児所を運営する予定だ。2025年5月に完成する予定。

「総合福祉センターでウクライナ軍の兵士の心のケアもしたい」とコーシャさん。同団体は2023年から、ウクライナ軍の兵士の心のケアに取り組んでおり、その経験を生かしたいという。

テラ・ルネッサンスが2023年から始めた心のケアでは、ギリシャカトリック教会の神父にウクライナ軍の兵士が懺悔する機会を提供。ウクライナ北部の前線まで神父と同行、または神父の移動費を負担する。

ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、食料物資の支援が不足していると懸念するコーシャさん。「平和を目指すことが大前提。だが平和が訪れる前に命をつないでいくことが必要だ」と語る。

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