トージー氏。元人権活動家だが、いまは避難先のタイから国内避難民に送金をして支援する

タイへの避難は2度目だった

トージー氏はミャンマーのシャン州で人権擁護団体を2017年に立ち上げ、2021年まで家庭内暴力（DV）や子どもの権利、LGBTQの人権擁護をテーマとする活動をしていた。

活動を続けられなくなったのは、トージー氏に対する逮捕状が出たためだ。反軍政デモ行進に参加した際、記者に写真を撮られ、それが地元紙の一面に大きく載った。デモのリーダーだとの嫌疑がかけられた。しかし、「逮捕状が出るぞ」と軍政側で働く友人に知らされ、2022年7月にタイに逃れてきた。

トージー氏がタイに避難したのは実は今回が初めてではない。14歳のとき、1988年に起きた大規模な反軍政デモにも参加。治安当局に捕まることを恐れて、チェンマイの隣にあるチェンライ県の町チェンセーンに6カ月間避難していた。そのころはミャンマーでの取り締まりが現在ほど厳しくなかったため、すぐにミャンマーに戻ることができた。