カゴ作りと日用品販売、二刀流で生き抜くベナン人女性「カゴ作りは簡単だが儲からない」

クウディ・クリスティンさん。アブラヤシの葉柄(葉身と茎を接続している柄状の部分)から大小2種類のカゴを作る。写真は小さいカゴの側面を編み上げているところ

1個の売値は36円

カゴは主に卸売りをする。ときには80個買う仲買人もいるという。

価格は野菜の収穫時期などによって大きく変動する。小さいカゴは1個150~250CFAフラン(約36~60円)、大きいカゴは1個400~800CFAフラン(約100~200円)で売れる。

クリスティンさんは、たとえ価格が安い時期でも買いたい人がいれば売る。「1個150CFAフラン(約36円)でも構わない。生活必需品を買うにはお金が必要だから」(クリスティンさん)

せっけんの販売に挑戦

困窮するクリスティンさんだが、実は現状を変えようと挑戦している。マルシェ(市場)で固形せっけんや粉せっけんを販売するビジネスを自分で始めた。「手ごろな価格で仕入れやすく、需要の高い商品を選んだ」

彼女はこれらの商品を段ボール1箱分ずつ買う。仕入れ価格は、固形せっけん3600CFAフラン(約820円))、粉せっけん3600CFAフラン(約820円)、洗剤4200CFAフラン(約960円)、パスタ6600CFAフラン(約1500円)、4種類の飲み物1万2400CFAフラン(約2800円)。合計3万3600CFAフラン(約7700円)だ。

およそ2カ月で売り切れるが、売れ行きに応じて追加で仕入れる。例えば、固形せっけんが売り切れたら、その都度1箱だけ仕入れるといった具合だ。

クリスティンさんは「年収はわからない。たぶん50万CFAフラン(約12万円)くらい。この辺りでは収益を細かく計算する習慣がない。バイクなど欲しいものはあるけれど、食べ物や服などの生活必需品を買うのが優先。貯金はできない」と嘆く。

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