開発コンサル会社のアイ・シー・ネット(さいたま市)は1月18日、“40億人のためのビジネスアイデアコンテスト”の最終審査会を東京・六本木のベルサール六本木で開く。このコンテストは、世界をより良くするビジネスモデルのアイデアを発掘するもので、優れたアイデアはアイ・シー・ネットが事業化を検討する。
最終審査会では、一次審査を通過した8件のアイデアの提案者が事業計画をプレゼンテーションする。最優秀賞には50万円、優秀賞(2件)と佳作(最大3件)にもそれぞれ15万円、5万円の賞金が贈られる。
8件のアイデアは下のとおり。
1)デルタウィン・ウォーキング・プロジェクト(DWP)
ランニングやウォーキングを楽しむ人たちに、企業が広告入りのTシャツや帽子などを無料で提供し、広告費の一部を、社会貢献団体に寄付する仕組みを構築する。
2)栄養満点! シルクパウダー
栄養素を多く含み、また飼育にコストがかからない昆虫を粉末にして、加工食品にし、途上国の人たちの栄養改善を目指す。
3)Greenマスク
大気汚染が深刻な中国で、企業の広告入りのマスクを無料で配布し、健康を守ると同時に、環境保護の重要性を訴える。
4)廃棄貝殻を使った資源再生事業
ホタテの貝殻を、独自の技術で、リサイクル可能でプラスチックに代わる素材にする。
5)アクセスしやすい音楽教育の環境を提供する
途上国での音楽教育は価格が高く、アクセスしにくい現状がある。現地語で教材を開発し、低価格でアクセスしやすい音楽教育を提供する。
6)POPPO -全ての人にホットシャワーの“あたたかさ”を届ける-
簡易瞬間給湯システムで、水浴びしかできない人たちにお湯を浴びる喜びを届け、生活の質を向上させる。熱源にはまきを使い、現地で調達可能な材料で製造可能にする。
7)自動車走行中の余剰電力等による、非電化地域での電力宅配ビジネス
自動車は走行中に必要以上の電力を作り出す。この余剰電力を、取り外し可能なバッテリーに充電できるようにし、非電化地域でも電力を利用できるよう「電力を配送するビジネス」を立ち上げる。
8)C‐IMPACT ~農村部と企業を繋ぐ~
インドに無数にあるキラナ(小さな個人商店)を活用して、企業と農村部の人たちのコミュニケーションを促進する。たとえば、キラナに買い物にやってくる人たちから、商品の評判を聞き、そのデータを企業に提供することで、消費者ニーズを企業は把握できる。
アイ・シー・ネットはこれまで、世界100カ国以上で国際協力分野の調査やプロジェクトを手がけるなど、豊富な途上国の現場経験をもつ。国際協力機構(JICA)からの受注実績は3位。(堤環作)