WHO、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に焦点を当てる」報告書発表
WHOと世界銀行グループは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に焦点を当てる:第一回グローバル・モニタリング報告書」を発表しました。それによると、世界で少なくとも4億人の人々が基礎的な医療サービスへのアクセスが十分ではなく、低・中所得国の6%の人々が医療支出により更なる貧困に追いやられている現状があります。
この報告書は、経済的保護を含めたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現のために、各国がそれぞれのUHCの進捗をモニターすることを目的として作成されました。UHCの実現はポスト2015年開発アジェンダのひとつです。
UHCは世界中の誰もが、人々が必要とする質の高い保健医療サービスを受けられることを意味するもので、各国が積極的に取り組みを開始すると、かならずや進捗管理という問題にも取り組んでいくことになります。
この報告書は毎年発行するアニュアル・レポートの第1冊で、今後WHOと世界銀行グループは進捗状況を毎年発表していく予定です。(ロックフェラー財団、厚生労働省が協力)
今回の報告書では基本的な保健医療サービス(家族計画、産前ケア、助産専門技能者介助による出産、小児予防接種、抗レトロウイルス療法、結核(TB)治療、安全な水や衛生施設へのアクセス)について検討しましたが、2013年には世界で少なくとも4億人の人々が、これらの基礎的な医療サービスへのアクセスが十分ではないことがわかりました。
また、低・中所得国の37か国において、6%の人々が医療支出によって更なる貧困に追いやられている現状(1日あたり1.25米ドル以下)にあることも明らかになりました。また、1日あたり2米ドル以下の水準で検討すると17%になります。
WHOと世界銀行グループは経済的保護を含め、各国がUHCを実現することによって、最低でも80%の人びとがこれらの基本的な保健医療サービスへのアクセスを確保することを目標として設置するように提案しています。
http://www.who.int/kobe_centre/mediacentre/uhc_report_2015/ja/