ガザ北部の幼稚園。 倒壊し、残った園舎にシートを張って使用している
認定NPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」は4月15日、都内でガザ活動報告会を開催。エルサレム駐在員の手島正之氏が現地の様子について「イスラエル政府による封鎖が続いており、建設資材などが輸入できず、復興が遅れている」と警鐘を鳴らした。
2014年7〜8月にイスラエル軍とガザを実効支配するハマスとの間で行われた戦闘では、過去6年で最も大きなガザへの軍事侵攻となり、学校や病院、発電所、耕作地などが被災。死者2000人以上、負傷者も1万人を上回った。8月26日に無期限停戦となり、国際NGOなどの支援団体がガザでの活動を再開したものの、その後も人やモノの移動が制限されており、復興が思うように進んでいないのが現状だ。こうしたことを背景に、ガザの人々の間で復興プロセスの遅延への苛立ちが募り、国際機関やNGOにも不満の矛先が向いているという。
パレスチナ子どものキャンペーンは紛争中から現地のNGOと協力して障がい者を抱える避難世帯への炊き出しを開始し、停戦後も緊急支援として、住民のニーズ調査を基に、調理器具や衛生用品などの物資を提供するとともに、子どもへの健康診断や心理サポートの実施、幼稚園の修復、農家への野菜の苗や肥料の配布などを行っている。最近では子どもたちの補習授業や医療支援を開始している。
パレスチナでは、14年6月にヨルダン川西岸とガザの暫定統一政府が樹立し、ようやく内部の足並みがそろった。さらに、イスラエルの軍事行動に圧力をかけることを狙った、パレスチナの国際刑事裁判所(ICC)加盟が15年4月に実現。しかし、このような政治的な面での進ちょくがあっても、一般市民の生活がすぐに改善する訳ではないようだ。