「梅干しはコメとは絶対に食べたくない!」、新しいもの嫌いなベトナム人

梅干しの試食に嫌そうな顔をするベトナム人女性

ベトナム人は、梅干しをコメと一緒に食べたがらない。これはベトナム・ハノイで、20人に路上調査をしてわかったことだ。理由は「ベトナムには『ムー』という日本の梅干しと似た物が存在するが、コメと一緒に食べる習慣がないから」「今回の調査に使ったのはもち米で、それは太りやすいから食べたくない」というものだった。

食べ比べしてもらったのは、酸っぱい梅干し「岩下の国内産甲州小梅(100グラム中食塩8.8グラム)」と甘酸っぱい梅干し「紀州南高梅(100グラム中食塩3.1グラム)」。結果は13人対7人で酸っぱい梅干しを好む人が多かった。35歳の男性は「甘酸っぱい梅干しは、ベトナム人の味覚に合わない」と顔をしかめた。

コメと一緒ではない別の食べ方を提案した人がいた。20人中19人は、差し出した2種類の梅干しを嫌な顔をしながら「コメとは絶対に食べたくない。単体で食べたい」とコメント。また68歳の女性は「ジュースやお酒にしたい」と答えた。

理由を尋ねると、ムーをベトナムでは単体で食べるから、「ヌオック・ムー」という梅ジュースが飲まれているから、またベトナム人は新しいものに対して保守的だから食べたがらないということだった。

ハノイの旧市街にあるドライフルーツ専門店。梅も売っている

ハノイの旧市街にあるドライフルーツ専門店。梅も売っている

もしベトナム人が「梅干しをコメと一緒に食べるもの」と認識していたら、結果は変わっていただろうか。この国には、フランスの植民地時代に広まった、フランスパンを使ったベトナム風サンドイッチ「バインミー」がある。梅干しが「主食のおとも」として食べられていたら、ここまで強く拒絶されなかったかもしれない。

ムーはドライフルーツのようだ。お茶うけや夏場の水分・栄養補給のために食べられている。またベトナム人のある男性はテト(旧正月)に食べるものだと答えた。

梅干しに対して肯定的な意見もあった。27歳の男性は「ぜひ売ってほしい」、35歳の男性は「ベトナムでも売れる」と強く主張した。

ベトナム人は朝、コメを食べない。そのため、炊いたコメが市場で見つからず、もち米しか手に入らなかった。もち米は、インディカ米に比べて腹もちが悪いため、太りやすいとの声が多かった。