ブルキナファソの給食に「大豆クスクス」! 星野紀子さんが大豆の学校菜園広める

ブルキナファソの母子と写真に映る星野紀子さん(中央)。ブルキナファソの農業省と教育省と協力し、大豆クスクスを広める(写真:本人提供)

「ブルキナファソ人なら、支援に頼らないで自立できるはず」。こう話すのは、西アフリカのブルキナファソで小学校の給食に大豆を取り入れてもらう活動をする星野紀子さんだ。給食に使う食材を増やそうと星野さんは、小学校の敷地で大豆を育てる学校菜園を推進。子どもたちが不足しがちなたんぱく質をとれるよう、オリジナルレシピ「大豆クスクス」を広めてきた。

児童の親が菜園作業

星野さんがブルキナファソにかかわり始めたのは2015年。国際協力機構(JICA)の企画調整員としてブルキナファソの首都ワガドゥグに赴任してからだ。2018年にはJICAの大豆プロジェクトの専門家となり、大豆農家の組織化に携わる。大豆プロジェクトは1年で終わったものの、ブルキナファソの子どもたちの栄養を改善したいとの思いからブルキナファソに残り、NGO「ADIMA」を立ち上げた。

星野さんが活動するのは、ブルキナファソの中央東州にあるブルグ県とクルぺゴロ県。ブルキナファソ農業省の農業普及員と協力して、農家である児童の親に大豆の栽培方法を伝える。また収量の多い大豆の品種も無償で提供する。栽培するのは学校の敷地内。期間は学校の長期休みと重なる6〜10月だ。

星野さんは2019年から大豆の学校菜園を始め、これまで53校が大豆栽培に挑戦。約1万人の児童が大豆給食を食べた。

菜園の農作業を担う親はボランティアだ。この活動を通じて農業普及員から大豆栽培のノウハウを学べるという。また子どもたちが大豆畑の草刈りや収穫を手伝う。

ブルキナファソでは政府がコメや油、豆などの食材を給食用として学校に支給する。だがそれは9カ月の授業期間のうちのたった3カ月。それ以外の6カ月は、児童の親が寄付する食材に頼っているのが実情だ。学校によっては十分に食材が集まらず、給食が出せないことも。結果、中退する児童もいるという。

「継続して学校に通うためには継続した給食が必要。そのための大豆栽培はブルキナファソにピッタリ。有機農業で育てやすいし、不足しがちなたんぱく質も補える」と星野さんは言う。

収穫した大豆。雨季(6〜10月)があるブルキナファソでは大豆はすくすく育つ(写真:星野さん提供)

収穫した大豆。雨季(6〜10月)があるブルキナファソでは大豆はすくすく育つ(写真:星野さん提供)

大豆クスクスを作る女性たち。とうもろこしと炒った大豆の粉を1対1で混ぜ、水を加えて粒を作る。油を入れてしっとりさせることもあるという(写真:星野さん提供)

大豆クスクスを作る女性たち。とうもろこしと炒った大豆の粉を1対1で混ぜ、水を加えて粒を作る。油を入れてしっとりさせることもあるという(写真:星野さん提供)

1 2