エジプトの花嫁、真紅の下着で夫にサプライズ! 写真作家・常見藤代氏の「女ひとり、イスラム旅」

チャドル姿で登壇した常見藤代氏

「エジプトで、知人の花嫁がセクシーな下着姿で新居から平然と出て来たときは言葉が出なかった」。イスラム世界を一人で旅し取材するノンフィクション写真作家・常見藤代氏は、1月17日に東京・新宿で開かれた『女ひとり、イスラム旅』(朝日文庫)の出版記念トークショーでこう語った。

知人のエジプト女性の結婚式の翌朝に新居を訪ねると、その女性がセクシーな真紅のスリップ姿で現れたという。聞けば、この真紅のスリップは、夫のためのウェディングサプライズ。処女で嫁ぐエジプト女性たちは、新婚初夜に特別な思い入れがあり、初夜に夫のためにサプライズを用意する習慣があるからだ。

常見氏によると、イスラム世界の女性は、夫を喜ばせるために、結婚前にセクシーな下着を大量に購入する習慣があるらしい。実際、常見氏の知人は、パンティ30枚、スリップ10着、ブラジャー10着を買い揃えたという。そのせいか、エジプトの街中には、セクシー下着ショップが沢山ある。ショーウィンドーには、ショッキングピンクのベビードールやガーターベルト、真っ赤のスリップなどの派手な下着が飾られている。

エジプトのセクシー下着ショップのスライド。常見氏によると、店主はおじさんが多いという

エジプトのセクシー下着ショップのスライド。常見氏によると、店主はおじさんが多いという

イスラム世界で、女性が結婚前に性的関係を持つのはタブー。だが、「結婚したら、セックスを楽しめ」という教えも、イスラムにはあるのだ。「イスラム世界の女性は、外では地味、家では派手。女性の美しさは、旦那さんにしか見せない」と常見氏。

これまで20年間、イスラムの国々を旅し取材してきた常見氏は、新著『女ひとり、イスラム旅』を通じて、イスラムの習慣を紹介するとともに、イスラム圏で暮らす普通の人々の喜びや悲しみを伝えたい、と言う。「イスラムの国というと『女性は虐げられている』とか『戒律が厳しい』というイメージだが、実際はまったく違う。ほとんどは、見知らぬ旅人を気さくに家に招いてくれる温かい人たち」と、イスラム世界の魅力を訴えた。