資産1300万円超! 掘っ立て小屋の「豚料理屋」で財を成した46歳がベナンの田舎にいた

いつも大繁盛の店内(ベナン南西部のトタ村)。ロドリグ・アブラさん(左から2人目)、2人の妻、3人のスタッフの6人で店を切り盛りする

「資産は5400万CFAフラン(約1314万円)あるよ」。こう打ち明けたのは、ベナン南西部のクッフォ県トタ村で豚料理屋を家族で営むロドリグ・アブラさん(46)。店名は「ボン・コワン・シェ・ロドリグ」(フランス語で「ロドリグの良い店」の意)。毎日200人ほどが食べに来る。

村一番の人気店

見た目はきれいとはいえない。掘っ立て小屋だ。店の奥にある客席部分はセメントで作っているが、暗く、壁に穴も空いている。店の手前にあるキッチンは草ぶき屋根。雨が降れば雨ざらしだ。客席はおよそ40ある。

こうした貧素な外観にもかかわらず、「ロドリグの良い店」は毎日大盛況だ。お目当ては、皿いっぱいに盛られた香ばしい豚肉。さまざまな部位が混じった骨付き肉にかぶりつく。豪快だが、「肉は柔らかくジューシー」とトタ村一番人気の豚料理屋との評判をとる。

豚料理屋はトタ村に6軒ある。「でもここが一番」と常連客は口をそろえる。

大きいブタ2匹を消費

人口およそ4600人のトタ村で、1日200人前後の来店者数は驚異的だ。単純計算で村人の4.3%が毎日、豚肉をほお張りに来ることになる。ちなみにベナン発祥の「ブードゥー教」やベナン独自のキリスト教の一派である「セレス」の信者は豚肉を好んで食べない。

「ロドリグの良い店」で1日に消費するブタの量は大きなサイズ(150~200キログラム)で2匹だ。値段は2匹で30万CFAフラン(約7万3230円)。小さいブタなら4匹だという。

ブタの年齢は1歳(人間だと5歳程度)。良い状態のブタを外部から買い付ける。

「ロドリグの良い店」のメニューは焼き豚と、ピーロン(豚の出汁が効いたキャッサバから作ったベナンの主食のひとつ)、アカサ(トウモロコシから作った酸味のあるベナンの主食のひとつ)、これ以外は飲み物しかない

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