テラ・ルネッサンスがブルンジで職業訓練、日収77円だったシングルマザーが「練炭チーム」の営業リーダーに

ブリケットを並べて乾燥させているところ(ブルンジ・カヤンザ県)

認定NPO法人テラ・ルネッサンスは11月26日、東アフリカの内陸国ブルンジのストリートチルドレンやシングルマザーを対象にした職業訓練についてオンライン報告会を開催した。報告会で取り上げたのは、8月から始めた、トウモロコシの芯を原料とする練炭(ブリケット)を作って売る自立プログラム。ブルンジ事務所長の川島綾香さんはブリケットの商品名を「煙にさようなら〜財布にやさしい炭〜」に決定したと話した。

健康にも家計にもやさしい

ブルンジ北西部のカヤンザ県でテラ・ルネッサンスが職業訓練を提供し始めたのは2021年から。洋裁、養蜂、窯業など多岐にわたり、それぞれの分野の参加者が起業できるよう支援する。支援対象となるのは同県に住むストリートチルドレンやシングルマザー。これまでの3年間で121人が参加した。

参加者のひとりが18歳の青年プルーデンスくんだ。彼は5歳のとき、離婚した両親に捨てられ、ストリートチルドレンとなった。その後、地元の女性に拾われたが、「(その女性は忙しく)病気になってもひとりぼっち。看病もしてもらえなかったし、薬もなかった」とプルーデンスくんは川島さんに語ったという。

ブリケットを作るにはまず、近隣の農家からトウモロコシの芯を買い取る。芯をドラム缶で炭化させ、クラッシャーで炭を粉々に。次に炭とおかゆを混ぜ、圧縮して泥団子のように固める。乾季の場合は3〜5日、雨季の場合は1週間以上乾燥させるとブリケットの完成だ。

ブルンジでは屋内で煮炊きする際、木炭や薪を燃料に使う。家の中に煙がまん延するため、それを吸い込み咳きが止まらなくなる人は少なくない。だがブリケットは煙がほとんど出ず、また長時間燃える。体にも家計にもやさしい燃料だ。

ブリケットを事業化するためにテラ・ルネッサンスは、作り手と売り手で構成するチームを立ち上げた。チームメンバーみんなで商品名の「煙にさようなら〜財布にやさしい炭〜」と商品のロゴを考えた。

テラ・ルネッサンスは今後も定期的に、仕入れ、生産、販売などの面で経営面でアドバイスを続ける方針だ。

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