赤ヤシ油を作るベナン人女性の販売方法、収穫期以外に売ると2.5倍の価格に

ジョウィ・ジェンヌさん。後ろに映るのは母から受け継いだ0.5ヘクタールのアブラヤシ畑だ

ベナン南西部のドボ市グァジャメ村 に赤ヤシ油の販売で家族を支える女性がいる。母から家業を継いだジョウィ・ジェンヌさん(53歳)は、自分の畑で栽培するアブラヤシから赤ヤシ油を作り、仲買業者に売る。「ピークの時期を外すと高く売れる」と嬉しそうに話す。

油ひとつで家計を支える

ジェンヌさんのアブラヤシ畑の広さは1.5ヘクタール(サッカー場およそ2個分)だ。うち0.5ヘクタールは母から受け継いだもので、残りの1ヘクタールは2016年に買った。13~35歳の6人の子どもを育ててきたジェンヌさんにとって全員を学校に通わせるには0.5ヘクタールの畑では不十分と判断したからだ。

1ヘクタールの土地の購入費は200万CFAフラン(約47万7000円)。約150本のアブラヤシの苗木を手に入れるのにさらに14万CFAフラン(約3万3000円)を払った。1本900CFAフラン(約220円)ちょっとだ。

このほか、苗木を植える前は雑草を除去するのに1万5000~2万CFAフラン(3500~4800円)、苗木を植えるのに2~5日間で4人の労働者を雇って合計1万5000CFAフラン(約3500円)。

子どもたちは2人がすでに卒業し、4人はまだ学校に通っている。夫は、キリスト教の一派であるエバンジェリズム(福音派)の牧師。「信者から寄付として金銭や食料を受け取ることはある。だけど収入はない」(ジェンヌさん)

ジェンヌさん一家は一緒に暮らす下の2人の子どもの協力を得ながら、赤ヤシ油の家業で生計を立てている。

茶色の液体は、ベナン料理で使われるソース・ドゥ・パームルージュ。上に浮いている赤い液体が赤ヤシ油(アブラヤシから採れる油)だ。パット(トウモロコシなどからつくる餅)、モロヘイヤのソース(デミ)、魚と一緒に食べる

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