良品計画とJICAがキルギスでフェルト作りを支援、女性が元気になった!

2013年発売の「ウールフェルトペンケース」。アルガリ(中央アジアに生息する野生のヒツジ)模様の刺繍が施されている。温かみのあるフェルト生地だ

良品計画と国際協力機構(JICA)は10月4日、都内で開催された「グローバルフェスタJAPAN2014」のサブステージ・プログラム「『MUJI』と『一村一品』inキルギス ~キルギスに行ってみてやってみて、感じたこと~」で、キルギス・イシククリ州で共同実施中の一村一品プロジェクトについての報告会を開いた。JICAの一村一品プロジェクトとは、地元の資源を活用した商品づくりによって、地域活性化を支援する取り組みのこと。

両団体は2011年から、イシククリ州のボステリ村やタムチ村などでペンケース(1000円)やパスケース(800円)など7種類のフェルト製品の生産をサポートしてきた。作り手は村の女性たち。その数は13年を例にとると174人に上る。

フェルト製品の生産規模は11~13年の3年間で4万6504個。11年は単年で1万1350個だったが、13年は2万1654個と倍増した。

青年海外協力隊員としてイシククリ県で生産活動を支援していた五十嵐早矢加さんは「このプロジェクトを通じて、女性たちがほかの村へ出かけるようになり、 人々の交流が活性化した。以前は情報共有を拒んで個人でしか活動しなかったが、次第に共同で展示会を開いたり、分担して大型注文に対応したりするようになった」と変わりようを語る。

五十嵐さんによると、フェルト製品を作る女性たちの6~9月の4カ月分の収入は平均1万7072ソム(約3万4000円)。国際労働機関(ILO)の統計ではキルギスの製造業に携わる労働者は同3万9199ソム(約7万8000円)だから、その半分を稼ぐ計算になる。村で仕事がない“フェルト女性”の多くにとって、この現金収入がもつ意味は大きい。

フェルト製品のデザインには協力隊員の力も欠かせない。13年には、イシククリ州都のカラコルで活動していた河田優紀さんがデザインしたロバとヒツジのフェルトマスコットが新発売された。これらのマスコットは年内に、世界10カ国以上で売られる予定。日本では11月27日から店頭に並ぶ。値段は1200円。