2015-07-28

JICA、富山県とブラジル日系社会青年ボランティア派遣に係る合意書を締結-日系社会における日本語教育の充実とグローバル人材の育成に期待-

国際協力機構(JICA)は、7月28日、富山県とブラジル国「第三アリアンサ日本語学校に対する富山県の日本語指導教員派遣事業」に係る合意書を締結しました。本事業は、サンパウロ州のミランドポリス市にある第三アリアンサ日本語学校に、富山県の教員を日系社会青年ボランティア(注)として派遣するものです。

富山県は、友好提携先でもある第三アリアンサ地区に、日伯親善事業及び南米移住者支援の一環として、1978年より現在まで日本語指導教員を派遣してきました。同地区には、1927年に富山県出身移住者が入植、富山村(通称)を開設し、1929年には、第三アリアンサ地区が施設運営を行う「第三アリアンサ日本語学校」が開設されています。

現在の第三アリアンサ地区では日系人社会の過疎化と少子高齢化に伴い、日本語の継承や教育指導に対する人材不足、日本的な文化や価値観・考え方の衰退が見られ、第三アリアンサ日本語学校においても生徒数の減少が課題となっています。同校は、第三アリアンサ日伯文化体育協会が施設の運営管理を行っており、生徒の減少という課題解決のため、日系3世、4世への継承日本語教育のみならず、地域の非日系人にも対象を広げ、日本文化の発信と異文化理解を含めた教育を実施しています。

今回の締結により、第三アリアンサ地区における日本語教育に継続的に貢献するとともに、将来の日伯両国の友好・協力の架け橋となる人材の育成を図ることが期待されています。

本事業では、2016年度から2年毎に1名、富山県教育委員会から教員を派遣します。派遣される教員は、ブラジルの第三アリアンサ日本語学校で日系社会青年ボランティアとして日本語教育を中心に、日本文化や日本の地理、音楽、図画工作、書道、体育等の授業および、林間学校や卒業式等の行事企画の指導を行います。

(注)日系社会青年ボランティアは、中南米諸国の日系人、日系社会の人々と共に生活・協働しながら中南米地域の発展のために協力する事業です。2015年5月31日までに中南米9ヶ国、計1,217名の隊員が派遣されています。

JICA:http://www.jica.go.jp/press/2015/20150728_01.html