2015-11-24

UNHCR、イケア「難民キャンプに明かりを届けよう」キャンペーンが11月29日からスタート

難民支援として数百万ユーロの支援金を募るために、イケアの「難民キャンプに明かりを届けよう」キャンペーンが、今年も40カ国以上で開催されます。11月29日~12月19日まで、イケアストアですべての照明製品を1つ購入するごとに1ユーロがIKEA FoundationからUNHCRに寄付されます。この寄付金は、UNHCRが難民キャンプに明かりと再生エネルギーを届け、そこで多くの家族がより安全に、より快適に暮らせるための活動を支援します。 このキャンペーンにより、これまで計1850万ユーロが難民キャンプに寄付されました。

キャンペーンで集まった寄付金は、アジアやアフリカ、中東でUNHCRが運営する難民キャンプに、太陽電池式の街灯やソーラーランタン、太陽電池式エネルギーシステムを提供し、難民および受け入れコミュニティーにおけるエネルギーの自立を支援するために使われます。さらに、本キャンペーンは初等教育へのアクセスの改善にも資金を提供します。

現在、世界中におよそ1950万人の難民が避難を強いられ、そのおよそ半分を子どもが占めています。人々を国の外へと押しやる主な原因は紛争と迫害ですが、UNHCRは次第にほかの要因にも注目するようになっています。それは、気候変動と、気候変動に関連して人々の移住を引き起こす干ばつや洪水、天然資源の枯渇などの天災です。

イケアの「難民キャンプに明かりを届けよう」キャンペーンは2014 年度に開始され、今年が最後の年となります。以下にこれまでの成果の一部を挙げます。

・エチオピアとヨルダンの28 万4000 人を超える難民と受け入れコミュニティーの人々は、5 万6000個以上のソーラーランタンの提供と720 本以上の太陽電池式街灯の設置のおかげで、以前よりも夜間に安全に暮らせるようになりました。

・バングラデシュとチャド、エチオピアでは、3 万7000 人以上の子どもたちが小学校へ入学し、学習を継続できるようになりました。さらに、これらの国では740 名以上の教師に対してトレーニングが行われました。

・バングラデシュでは、22のバイオガスプラントが建設され、し尿の15%を処理して、調理用のグリーン燃料を生成しています。

「世界中で否応なく住む場所を追われた人々は、現在何千万人にも上り、UNHCRの取り組みの世界的な状況はこれまでになく困難なものになっています。難民支援の革新的な道を見つけることが非常に重要です。IKEA Foundationのサポートにより提供が可能となったクリーンエネルギーは、基本的なニーズに応える実用的なソリューションであると同時に、多くの人々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を変える力を持つものです」(アントニオ・グテーレス、国連難民高等弁務官)

UNHCRの最大の民間セクターパートナーであるIKEA Foundationは、すべての子どもに家と呼べる安全な場所を持つ権利があると信じています。2010年からUNHCRのパートナーとして、アジアやアフリカ、中東において、難民キャンプとその周辺コミュニティーで暮らす家族と子どもたちにシェルター(仮設住居)や、さまざまなケア、教育を提供するための支援を行っています。

「残念なことに、世界中の紛争状況の長期化による難民危機の高まりは、すぐに落ち着きそうにはありません。気候変動が誘発する自然災害などのあまり知られていない要因が、さらに多くの人々を住まいから追いやり、家と呼べる安全な場所を求める難民に至らしめる原因となることもあるのです」(ペール・ヘッゲネス、IKEA Foundation CEO)

プレスリリース:http://www.unhcr.or.jp/html/2015/11/pr-151124-ikea.html