“すべての銀行・決済サービスで利用可能”なモバイルサービスをルワンダが導入へ、国家収入が増える!?

モバイルマネーは通常の銀行口座を開設する必要もなく、携帯電話のテキストメッセージひとつで送金できる(写真はエリクソンのウェブサイトから引用)

ルワンダの財務省とスウェーデンの通信大手エリクソンが、ルワンダで新たな「モバイル送金・決済サービス」を開発する契約を締結した。これによると、エリクソンは、すべての銀行や決済サービス会社で利用可能な共通のシステムを開発。2017年までに運用をスタートさせたい考えだ。

実現すれば、ルワンダ人は携帯電話ひとつで、買い物したり、学費や公共料金を払ったりすることができる。5月中旬にルワンダ・キガリで開催された世界経済フォーラム・アフリカ会議で、ラヴェール・ガテテ財務相が発表した。

新たなサービスでは、エリクソンが開発したモバイル送金・決済サービス「Mコマースインターコネクト」を活用する。これは、携帯電話の通信ネットワークを使い、送金や料金の支払い・受け取りができるものだ。ルワンダでは、MTN モバイルやティーゴキャッシュなど、携帯各社が銀行と提携し、モバイルマネーを提供している。しかし、異なる携帯キャリア間でモバイルマネーを送金しようとすると、利用者はいったん、現金に交換しなくてはならない。手間と換金コストがかかることがネックとなっている。

Mコマースインターコネクトを使う場合、銀行口座は不要だ。モバイル口座を開設すれば誰でも使える。海外への送金も可能。懸念されるセキュリティリスクも低い。

ルワンダ政府は、共通の送金システムを導入することで、国の経済がいっそう成長すると期待する。手軽な送金・決済サービスは個人消費を増やし、国家の財源も豊かになるとのシナリオを描く。

モバイル送金サービス「Mペサ」を導入するケニアでは実際、金融取引が数十億件に達することで経済活動が活発になり、その結果、国家収入が数百万ドル(数億円)増えたという。

世界銀行のグローバル・フィンデックス・データベース2014によると、ルワンダの成人の銀行口座保有率は42%(約476万人)。サブサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカの平均16%と比べれば約3倍と高いが、先進国(日本は97%)よりは低く、いまだに現金での支払いが多い。