8月28日に渋谷で“イマドキ女子のアフリカファッションショー”、早大生が企画

服をデザインするうえでイメージを膨らませるため、リサーチの一環として国際協力機構(JICA)南スーダン事務所も訪問した

アフリカをモチーフにしたオリジナルの服を発表するファッションショー「Tokyo Africa Collection 2016」が8月28日、東京・渋谷で開かれる。主催する早稲田大学の学生は「アフリカに関心のない20代前半の女の子でも気軽に来てもらえるスタイリッシュなショーにしたい」と来場を呼び掛けている。学生は入場無料。

■アフリカはかっこいい

「Tokyo Africa Collection 2016」は28日午後4~6時、文化ファッションインキュベーションホール(渋谷区文化総合センター大和田)で開かれる。

主催するのは根津朋子さん(早稲田大学5年)を中心とするグループ。根津さんはルワンダの布で洋服を製作・販売するサイト「Alizeti(アリゼティ)」も運営する。

根津さんは2015年に休学してルワンダへ行くなど、何度もアフリカを訪問している。その都度、ビーチやパステル調の街並み、ファッションセンス、何よりアフリカの人たちの笑顔にひかれた。「紛争や民族、貧困などかわいそうだけではなく、かっこいいアフリカを伝えたいという思いが強くなった」

アフリカのファッションショーをやろう、と今から1カ月半ほどの前に思いつき、企業協賛では間に合わないとクラウドファンディングで資金を集めた。デザイナーやモデルはグループで友人などを経由してお願いして回った。

■あなたのアフリカを覆す

ショーの特徴は、アフリカの10カ国(エジプト、エチオピア、南スーダン、ルワンダ、タンザニア、ケニア、ソマリア、南アフリカ、ガーナ、モロッコ)をテーマにあげながらも、単なる民族衣装の発表会ではない点だ。

デザイナーは、服飾コンテストの受賞経験者や芸術専攻の学生など新進気鋭の若手8人。担当する国の社会情勢や文化、人々の暮らしをリサーチし、現地の息吹から受けたイメージに、独自の感性を加えたオリジナルの服を制作。1カ国につき2着ずつお披露目する。

デザインの詳細は当日までシークレットとのことだが、例えばルワンダ部門では、フツとツチといった異なる民族間の内戦を乗り越えて、経済発展する力強いエネルギーをデザインに込めているという。

モデルを務めるのは20人。CMに出演した経験もあるモデル、ミス東大など学生ミスコン経験者などがそろった。映像や音楽などともあわせ、イマドキ女子向けのスタイリッシュなショーを演出。「あなたのアフリカを覆す」(公式HP)としている。

根津さんは「パリコレとヴィクトリアズ・シークレットの中間のようなショーを目指したい」と話す。若者ならではのイメージから生み出された偏見のないアフリカの「カワイイ」や「洗練さ」が表現されそうだ。

■学生は特別無料!

根津さんは「多くのアフリカのイベントでは民族色は拭えない。それはそれで素敵だが、興味のない人にとって壁にもなっている気がする」と話す。紛争地や貧困を支援する報告会など専門色が強いイベントは確かに多い。知識があまりない学生には敷居が高いだろう。

今回のファッションショーの入場料は一般1000円、最前列のVIP席1万円。だが学生は無料。根津さんは「利益は度外視している。ファッションをきっかけに若い人に気軽にアフリカに興味を持ってもらい、偏見をなくしたい」と来場を呼び掛ける。

担当国のイメージに合わせた衣装を作るデザイナーの鷲見友佑さん

担当国のイメージに合わせた衣装を作るデザイナーの鷲見友佑さん