エジプトの花嫁道具は下着7枚! 新婚生活は“子作り合宿”から?

花婿・花嫁が乗る車。こういった車を街中で見かけたら、今晩は結婚式だなと思う(カイロの北およそ100キロメートルのところにあるタンタ)

イスラム教徒にとって一大イベントのラマダン(断食月)が今年も終わりました。エジプトではラマダンが終わると、一気に結婚式のシーズンがやってきます。新婚夫婦の新居を男性(新郎)側が用意し、家具などの中身を女性(新婦)側が用意するといった風習があります。それに加えて女性は、花嫁道具として、タンスいっぱいになるほどの洋服をもって嫁ぎます。また、新しい下着を1週間分もっていくのも花嫁としての“身だしなみ”です。なぜ1週間分なのか、そこには知られざる秘密がありました。

その前に、ラマダン後の街の様子を少し説明します。夕暮れ時、街のあちこちで「プープープププー」とクラクションが鳴り響きます。「渋滞かな?」と思った人はまだエジプト・マニアにはなれていません。このクラクションは結婚式を盛り上げるための冷やかしなのです。

でもラマダンが終わるとなぜ、結婚式のシーズンがやってくるのでしょうか。それにはイスラム教の教えが深くかかわっています。ラマダンの期間中は、夫婦間であっても性交渉は禁じられています(イスラム教では婚前交渉は認められていません)。そのため婚約している恋人たちは、ラマダンが明けるのを待って結婚するのです。

結婚式が終わると、花婿は花嫁を抱きかかえ、新居へ向かいます。新居には、新婚夫婦より先に足を踏み入れることは良くないことだという考えがあるので、花婿と花嫁だけがまず入ります。そして、その後1週間は2人とも家から出ずに子作りに励むといわれています。田舎では、家からではなく、部屋から出ないとも。

では食事の準備はどうするのでしょうか。花嫁の母親が通常はするそうです。食事を新居(時には部屋)に運んでくれます。花嫁の母親も新婚夫婦が部屋に閉じこもって子作りに励んでいることは承知しています。

初めてこの話を聞いた時、日本人の私は顔が真っ赤になってしまいました。性に閉鎖的だといわれるイスラム教ですが、ある意味、すごくオープンなのかもと思いました。なんせ、初夜の下着を母子で選ぶのですから。