国連フォーラムは2013年11月23日、国連や開発機関でのインターンシップの応募方法やメリットなどについて情報交換する勉強会を米ニューヨークの国連本部で開催した。同フォーラム勉強会班の羅佳宝さんが司会を務め、パネリスト4人がインターンの体験談を話す形式で勉強会は進んだ。
インターンの応募方法は、自分が興味をもつ開発機関や国連(careers.un.org)のウェブサイト経由や、大学のインターン紹介システムを使ったプロセスが一般的だ。インターンを実現するためには「自発的に考え、動くことが大事」とパネリストらは口を揃えた。
行動した結果、インターンを募集する機関のトップと直接話す機会を得て、インターンが実現した例もあった。採用プロセスは、応募してから1~2カ月で次のステップに進むか、採用の可否が決まることが多い。
トルコのシンクタンク「イスタンブール・ポリシー・センター」でインターンした経験をもつ丸山恵梨さん(コロンビア大学大学院)は、大学のインターン紹介システムを使った。インターン先を4月に探し始め、応募後1週間以内にスカイプで面接。その週に採用の連絡がきて、イスタンブールにすぐに飛んだという。これはスピーディーなケースだ。
また、尾崎弘之さん(国連工業開発機関=UNIDO)は、日本政府代表部でインターンしている最中に国連南南協力室長と“運命”の出会いを果たす。それがきっかけとなって国連南南協力室でのインターンを実現させた。
国連経済社会局でのインターンを国連食糧農業機関(FAO)への正規採用につなげた福田園造さん(FAO)は自らの経験をもとに、英語だけでなく、他の国連公用語を操ることができることを自己アピールすべきと強調。「インターン中からさまざまな会議に顔を出し、アンテナを張ることが重要だ」と参加者らにアドバイスを贈った。
アジア開発銀行(ADB)で3カ月のインターン経験がある原口正彦さん(コロンビア大学大学院)は、インターンを通じて得たことについて次のように話した。
「博士課程1年目のとき、開発機関より研究の方が社会に与えるインパクトが大きいのではないか、と悩みながらADBでインターンした。期間中に、開発金融機関で働くことに哲学をもつ尊敬できる上司と出会った。その上司と仕事していくうちに、開発金融機関ができること・できないことに対して自分なりの考えをもてるようになった」
このほか、インターン期間のパフォーマンスが認められ、採用につながった例も報告された。
勉強会の最後には、FAO対国連連絡事務所の元連絡調整行政官である村田敏彦さんから「国連機関は、以前よりインターンを受け入れるようになった。応募の際は、インターン経験をどう生かしたいのかを、自分の将来像とともによく考えることが重要。積極的に行動してチャンスをつかんでほしい」と激励の言葉をもらった。(国連フォーラム辻之内和基)