各国に占める女性閣僚の割合は2008年の16.1%から2014年は17.2%に上昇した。これは、列国議会同盟(IPU)とUN Women(国連ウィメン)が公表した2014年版「世界の女性政治家マップ」によるもの。
地域別にみると、トップは南北アメリカの22.9%。以下、アフリカ20.4%、欧州18.2%(北欧は48.9%)、太平洋12.4%、アジア8.7%、アラブ8.3%の順。国別では14人の女性閣僚をもつニカラグアが最も多く、スウェーデン、フィンランド、フランス、カーボベルデ、ノルウェーがそれに続く。
2014年現在で女性の閣僚が1人もいない国は8カ国ある。レバノン、サウジアラビア、パキスタン、ブルネイ、サンマリノ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ソロモン諸島、バヌアツだ。2012年の14カ国に比べて減少した。
UNウィメンは、女性の政界進出を進めた国の好例としてアルバニアとフランスを挙げた。アルバニアは、2012年の女性閣僚の割合は世界で84位だったが、2013年9月に首相に就任したエディ・ラマ氏が女性と若者に責任ある任務を与えることを決定。それ以降、女性閣僚の割合が30%に増え、世界で27位となった。
世界の女性政治家マップが注目する傾向として、女性閣僚ポストといえば一般的に社会問題・教育・女性問題などが大半を占めてきたが、このところ防衛・外務・環境といった分野での女性閣僚が増えているという。
このマップはまた、女性議員の割合も紹介している。IPUによれば、国会議員に占める女性の割合の世界平均は毎年1.5%ずつ増加し、2014年1月1日には過去最高の21.8%に達した。地域別にみてトップなのは南北アメリカの25.2%。ただ伸び率では、2013年の13.2%から16%に増えたアラブが1位だった。アフリカは22.5%(前年比2.1%増)、欧州は24.6%(同1.4%増)と着実に前進しているが、アジア(18.4%)と太平洋(16.2%)は前年から横ばいで停滞している。(石岡未和)