プラン、アジア3カ国での早すぎる結婚の実態を調査報告
早すぎる結婚について、プランは、バングラデシュ、パキスタン、インドネシアの3カ国において実施した調査を報告書に取りまとめ、早すぎる結婚が伝統的慣習として深く根づいている実態を2015年11月上旬に発表しました。イギリスに拠点を置く研究機関コラム・インターナショナルと共同で行った調査では、3カ国の複数の地域で2742人の親や地域のリーダー、子どもたちへの聞き取り調査を行い、早すぎる結婚の背景と求められる対策を分析しました。
3カ国における早すぎる結婚の調査
調査は各国とも都市近郊および農村地帯にあるいくつかの活動地域にて行われました。バングラデシュでは、調査対象となった既婚女性のうち、18歳未満で結婚した人の割合は73%、12歳から14歳で結婚した人の割合は27%に上りました。対照的に、18歳未満で結婚した男性は2.8%にとどまりました。
インドネシアでは、調査対象となった既婚女性のうち、38%が18歳未満で結婚しており、12歳から14歳で結婚した人の割合は7.8%、18歳未満で結婚した男性は3.7%でした。パキスタンでは、18歳未満で結婚した女性の割合は34.8%、12歳から14歳で結婚した割合は15.2%でした。一方、男性の18歳未満での結婚の割合は13%と他の2カ国と比べて高くなっています。
早すぎる結婚と男女の不平等に深い関係
高い割合で早すぎる結婚が継続している主な理由として、厳しい貧困、ぜい弱な法の規制力に加えて、特に女の子には教育、経済活動に参加する機会、保健サービスが手の届きにくいものとなっていることが挙げられています。また、男性から女性への性暴力と著しい男女の不平等の実態が調査から明確になりました。
バングラデシュでの聞き取り調査に参加した17歳の女の子は、「結婚しないと、まわりで悪い噂を広められてしまいます。女の子は立場を失い、よくない性的関係を持っていると思われてしまうのです。男の子の場合はあまり問題なく、独身でいられます」と述べました。また、バングラデシュの17歳の男の子は、「年下の女の子と結婚することは、妻を支配するために重要です」というコメントを残しました。
調査からは、教育、収入、経済活動に参加する機会、保健サービスの水準が高い地域の方が早すぎる結婚の受容度が低くなる傾向が見られることも分かりました。
長期的な取り組みを促す調査報告書
調査報告書は、NGOや地域の団体、政府、機関、個人や家族、地域など多様な主体による長期的な取り組みが、3カ国における早すぎる結婚に影響をもたらすとまとめています。早すぎる結婚への対策として40におよぶ項目が列記されており、バングラデシュ、パキスタン、インドネシアをはじめ各国での活動に生かされる予定です。
プランは、国連の子どもの権利条約にのっとり、結婚の最低年齢は18歳と考えています。
プレスリリース:https://www.plan-japan.org/girl/news/151113.html