12月1日は「世界エイズデー」 青少年のエイズ関連死は3倍に ユニセフ最新報告書
12月1日は「世界エイズデー」です。ユニセフ(国連児童基金)は27日発表の最新報告書で、エイズによる青少年の死亡数が、2000年以降の過去15年間で3倍になったと発表しました。
エイズの影響を受ける青少年層
エイズは青少年(10~19歳)の主な死亡原因となっており、アフリカで第1位、世界的には第2位です。 HIV感染者の年齢別グループのうち、エイズ関連死の死者数が減少していない唯一のグループがこの青少年層です。
エイズ感染が最も蔓延しているサハラ以南のアフリカでは、女の子の感染が非常に多く、新たにHIVに感染した15~19歳の10人に7人が女の子です。
HIV感染検査の普及を
しかしながら、サハラ以南アフリカの15~19歳の年齢グループにおいて、HIV感染検査を受けたのは10人にひとりに留まっています。
「HIVとともに生きる若者が、治療ケアや支援へのアクセスを得ることは非常に重要です」とユニセフのHIV/エイズ担当チーフのクレイグ・マックルールは述べています。「同時に、HIVに感染していない人々に対し、予防のための知識普及や、新たにHIVに感染しないようにする支援を提供しなければなりません」
ユニセフの新たな報告書によると、生後2カ月までにHIV検査を受ける子どもは半数にも満たないこと、また、HIVと共に生きる15歳未満の子ども260万人のうち、治療を受けているのはたった3人にひとりということが明らかになりました。
取り残された10代の子どもたち
エイズ関連の病気によって死亡した青年期の子どものほとんどが、10~15年前、幼児期だったころにHIVに感染していることが分かっています。当時、HIVと共に生きる妊婦の女性や母親たちのうち、HIV母子感染を防ぐための抗レトロウイルス薬治療を受けていたのは、今よりも少なかったのです。これらの子どもたちの中には、10代に成長するまで、自身のHIV感染を知らなかった子どもたちもいます。
2014年までに、HIVと共に生きる5人中3人の妊婦が、母子感染を防ぐための抗レトロウイルス治療を受けることができるようになりました。これはつまり、2000年以降、4歳未満の子どものエイズ関連死が60%減少したことになります。HIVの母子感染を防ぐこれらの努力は、今の青少年の次の世代におけるHIV感染状況に変化をもたらすでしょう。しかしながら、2000年以降、主にHIV母子感染予防の前進によって、130万人近くの子どもたちへの新たな感染が予防されています。
■15~19歳の子どもたちに関するデータ
・毎時新たに26件のHIV感染が起きている
・HIVと共に生きる15~19歳の約半数は、次の6カ国で暮らしている:南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、インド、モザンビーク、タンザニア
「HIV母子感染を防ぐための取り組みによる成果は、称賛し祝するに足るものです。しかし、HIVと共に生きる子どもや若者に命を守るための治療ケアを届けるためには、緊急の投資が必要です」(マックルール HIV/エイズ担当チーフ)
最新のデータは、「Children and AIDS」サイト(英語)をご覧ください。