IOM、海路で欧州に到着する移民・難民 2割が子ども
ドイツにあるIOMグローバル移住データ分析センターと国連児童基金(UNICEF)は、今年これまでに地中海を越えた難民・移民87万人のうち、少なくとも5人に1人が子どもであるとの報告をこのほど発表した。
子どもの割合が多いのはトルコからギリシャへの東地中海ルートと西バルカンルートで、到着の4分の1を占める。イタリアへの到着の1割が子どもで、4分の3近くには親や保護者が付き添っていない。
子どもは、欧州に渡る移民や難民の中でも、もっとも困難な状況にある。エーゲ海での今年の死者の3分の1以上は、子どもたちで多くは幼児。
10月には、90人以上の子どもがギリシャへ渡る途中で亡くなり、先週は12人中9人の死者が子どもだった。移動の途中の搾取に遭ったり、家族と離れたり、誘拐や人身取引の被害に遭ったりするだけでなく、病気になったり、怪我をしたりするリスクは、子どもの方が高い。
今年の1月から9月にかけて欧州連合での庇護申請者の3分の1近くを子どもが占め、その数はすでに昨年一年の数を上回っている。うち49%はシリア、アフガニスタン、イラクなどの紛争の影響を受けている国からの子どもたち。
保護者のいない、または保護者と離れてしまった子どもが欧州に多く到着していることが、懸念されている。今年1月から10月に、23,000人以上の保護者がいない、または保護者と離れてしまった子どもが、スウェーデンで庇護申請をした。スウェーデンではそうした子どもたちの申請が欧州で最も多く、昨年の欧州全体の数字より多い。大多数は思春期の男子で、イタリアでは保護者と一緒でないか人身取引の被害にあった女子が到着している。
IOMとUNICEFは、各国政府や人道支援団体に対し、欧州に危険な旅をしようとする子どもや家族を保護して、目的国で適切な支援が受けられるようにすることを呼びかけている。