Tシャツ3000円のうち700円がNGOに! 京都発の寄付付きファッションブランド「ジャミン」

右がJAMMINの西田太一代表。左はイベント主催者の田村篤史氏

「自分の好きなことで、楽しみながら社会問題に挑戦したい」。こう話すのは、寄付付きファッションブランド「JAMMIN」(ジャミン)を2013年4月に京都府で立ち上げた、JAMMIN合同会社(京都・京田辺)の西田太一代表だ。西田氏をスピーカーに迎え、ジャミンの紹介と、会場に集まった人で社会貢献の形を考えるイベントが7月9日、京都市内で開催された。

ジャミンの現在の主力商品はTシャツだ。ホームページから購入でき、1枚3000円。1枚買うと700円がNGOやNPOに寄付される。寄付先となる団体は1週間ごとに変わる。Tシャツのプリントは、その週の寄付先が取り組む社会問題をモチーフにしている。

例えば7月14日の週の寄付先は、国際環境NGOエフ・オー・イー・ジャパン(FoE Japan)。寄付金は、南極海に海洋保護区を設置するための資金に充てられ、Tシャツのプリントは解けた氷とペンギンだ。

「ファッションを通じて社会問題を知るきっかけになれば」との思いから、ジャミンのホームページでは単に物を売るだけではなく、社会問題の背景や各団体の取り組みなどを伝えるようにしている。

西田氏と、共同創設者の高橋佳吾氏はかつて開発コンサルタントとして働いていた。西田氏は大学時代、水問題を研究。調査で訪れたスリランカで汚れた水を目の当たりにし「この水をきれいにするのは、難しいことではないのに」と思ったという。大学院でも水の研究を続け、開発コンサルティング会社に就職。仕事は充実していたが、自分の力でやっているという実感を求め、好きなファッションの分野で、新しい事業モデルとして寄付付きファッションブランド・ジャミンを立ち上げた。

商品化から1年3カ月。「今後はTシャツだけでなく、年間を通してどんな品揃えができるかを考えたい」と西田氏。「いまは寄付という形でNGOやNPOを支援しているが、いずれは自分たちの手で社会問題を解決したい」と話す。

Tシャツの購入者はいまのところ、寄付先の団体に関心を持っている人にとどまっている。西田氏は「将来はファッションブランドとしてジャミンを認知してもらえるようにしたい」と語る。(西森佳奈)