延びるパレスチナ人の平均寿命、ガザに125歳の男性も!

パレスチナ自治区・ガザ地区北部の町ジャバリアに住む男性、ジャブ・アル・トゥーム氏が125歳の誕生日を迎えた。米国のメディア「インターナショナル・ビジネス・タイムス」が2月25日付記事で取り上げた。

ジャバリアにはガザ地区最大のパレスチナ人難民キャンプがある。だがイスラエル軍は頻繁に攻撃。ガザ地区に対して、人や物の往来を極端に制限するなど封鎖している。アル・トゥーム氏の125歳という年齢は極端にしても、こうした過酷な状況下でもパレスチナ人の平均寿命は延びているという。

パレスチナ中央統計局(PCBS)によると、パレスチナ人の平均寿命は1992年の67歳(男女ともに)から、2013年は男性71.5歳、女性74.4歳に大きく延びた。これは周辺国とほぼ同じレベルだ。米中央情報局(CIA)のザ・ワールド・ファクトブックによれば、2014年時点での平均寿命はイスラエル81.3歳、ヨルダン74.1歳(パレスチナ人が多く住む)、シリア68.4歳となっている。

だが平均寿命が延びる一方で、高齢のパレスチナ人が抱える問題も少なくない。健康面はもとより、基本的な読み書きができない高齢者が多く、自立した社会生活を営むことが難しいからだ。

PCBSによると、高齢のパレスチナ人の54.8%は初等教育を修了していない。女性に限れば2012年時点で71.7%に上る。ガザ地区とヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人の37.7%は非識字者だ。

また、2010年に実施されたパレスチナ人家族調査によると、60歳以上のパレスチナ人の70.7%が少なくとも1つ以上の慢性の持病に悩まされているという。

アル・トゥーム氏は、自身の健康の秘訣について「オリーブオイルや野菜、果物、ウサギの肉など体に良いものだけを食べ、赤身の肉は避けている」と話す。ヨルダンのメディア「アルバワバ」は、中東の気候や食事、お祈りのための早起きが同氏の健康を守っていると指摘する。(西森佳奈)