飢餓状態なのはエリトリア・エチオピア・ブルンジなど10カ国、WFPの「ハンガーマップ」

国連世界食糧計画(WFP)は3月14日、「ハンガーマップ2013年版(日本語)」を公開した。ハンガーマップとは、世界の飢餓状況を可視化したもの。それぞれの国を「栄養不足人口の割合」によって5段階で色分けしている。

マップを見ると“赤いアフリカ大陸”が目に飛び込む。栄養不足の人口の割合が「最も高い」(35%以上)国は濃い赤色、「高い」(25~34.9%)国が赤色に分類されているためだ。

濃い赤色に塗られているのは、エリトリア、エチオピア、ブルンジ、マラウイ、ザンビア、モザンビーク、スワジランド、コモロ、ハイチ、東ティモールの10カ国。うち8カ国がサブサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカだ。ただし、アジア、アフリカ諸国には「データなし・データ不足」の国も多い。

■タンザニアとコンゴ共和国は改善!

2012年日本語版のハンガーマップでも、エリトリア、エチオピア、ブルンジ、ザンビア、モザンビーク、ハイチの6カ国は「最も高い」に入っていた。このため栄養状態はこの1年で改善されなかったことになる。マラウイは「高い」から「最も高い」に悪化した。

改善したのはタンザニアとコンゴ共和国だ。両国は、2012年の「最も高い」から、2013年は「高い」になった。

スワジランド、コモロ、東ティモールは、2012年はデータなし・データ不足だったが、2013年は「最も高い」と評価された。

■HIV・紛争・気候変動が飢餓を生む 

食糧事情を悪化させる要因は多岐にわたる。WFPによると、主な要因は、気候変動や干ばつ、森林破壊などの「環境的なもの」、貧困やインフレなどの「経済的なもの」の2つに大別できるという。

これ以外では、エチオピアやブルンジは南スーダンの紛争が、マラウイではHIV・エイズが飢餓を悪化させている。エリトリアは、国内にはびこる暴力や拷問が強く影響している。(西森佳奈)