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小さな力を集めて革命の大きな力に
ランダルさんは2015年からヤンゴンで暮らしていたが、休暇で米国に一時帰国していた時に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行してしまう。2021年2月に軍事クーデターが起きた後にインスタグラムに写真を投稿し、民主化を訴える啓発キャンペーンをオンラインで行っていたとき、後にゴールデンランドの創設メンバーとなるコーラルさんと知り合う。
コーラルさんには、反政府デモに参加して逮捕され、刑務所で死亡した親せきがいる。また、医師や公務員が業務をボイコットすることから始まった「市民的不服従運動(CDM)」などに参加し、仕事を失った友人も少なくないという。そうした事情もあり、ランダルさんと2人で、困窮するミャンマー人を助けようとまずオンラインで立ち上げたのがゴールデンランドだ。
ランダルさんにとっての活動の原点は友人の死だ。ヤンゴン在住のミャンマーの友人が3人の幼い子どもを残して新型コロナに感染して命を落とした。また、別の友人は「もし私の身に何かあったら、子どもの面倒をみてほしい」とランダルさんに頼んできたという。
ミャンマーでは2024年4月に徴兵制が始まった。女性も対象になるのでは、とのうわさが国内を駆け巡る。ランダルさんは「(自分が徴兵されて)子どもが置き去りにされることを心配するお母さんたちもいる」と言う。
店名に使われる「ソリダリティ」は英語で「団結」を意味する。「世界中の誰もが私たちの活動に参加できる(商品を買える)。団結は国境を超える」(ランダルさん)。一人ひとりの小さな力が集まることで、民主主義と女性の地位向上(ロンジーは不浄ではない)の実現をゴールデンランドは目指していく。
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5バーツ(約20円)で買えるステッカー。だれもが気軽にミャンマーの民主化運動に参加できるように、との思いを込めて店内に置く